ポリシランとは主鎖がケイ素連鎖で側鎖にアルキルまたはアリール基等を有する一次元直鎖高分子です。このポリシランは、通常の炭素からできている高分子と異なり、主鎖の単結合に沿ってσ(シグマ)電子が非局在化する、つまり炭素で言う二重結合に生じるπ(パイ)共役に似た状態となります。これは、σ(シグマ)共役と呼ばれ、紫外吸収、発光、光電導、光分解等にその特徴が反映されます。特に化学的特徴としては、紫外(UV)光照射により主鎖の切断を伴う分解を生じることです。そしてこの分解によりケイ素が繋がっていたところに酸素や水酸基(-OH)が入り込んだ化学構造へと変化することで、その性質が大きく変化します。この性質の変化を利用することで、様々な画像の記録・ 表示・記憶材料へと応用する事ができます。
変化する性質 | 応用用途 |
電気を流す能力が無くなる | ・メモリー感光体 (乾式多数枚印写プロセス) |
水溶液に対する濡れ性や膨潤性が向上する | ・パターン着色 ・無現像オフセット印刷 ・マイクロレンズアレイ作製 |
溶媒に対する溶解性が変化する | ・パターン電界重合 |
特異な反応性を示すようになる | ・顔料消色(光記録材料) ・金コロイド形成(光記録材料等) |
屈折率が低下する | ・位相記録材料 |
応用用途の詳細については、後日UP予定です。 現在は長山助手のページ(Research)を参考にして下さい。
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パターン着色を利用した カラーフィルター
電着法を用い作製した マイクロレンズアレイ |